このカテゴリで分かること
精子提供という方法を選ぶかどうかとは別に、一人で子どもを産み育てるには、生活の設計が必要になります。出生届はどう書くのか、どんな手当を受け取れるのか、保育園には入れるのか、働き方はどうするのか。このカテゴリでは、そうした実務を扱っています。妊娠を考えている段階から読める内容にしていますので、決断の前に「生活が成り立つか」を確認する材料としてお使いください。
支援は「もらえるお金」と「安くなるお金」に分かれる
ひとり親を対象とした支援は数多くありますが、整理すると2つに分かれます。児童手当や児童扶養手当のように現金が振り込まれるものと、医療費の助成、保育料の軽減、税の控除、公共料金の減免のように支出が減るものです。後者のほうが種類が多く、見落とされやすいのが実情です。そして共通しているのは、いずれも申請しなければ受けられないということ。役所が自動的に振り込んでくれるものではありません。
未婚であることは不利にならない
よくある誤解を先に解いておきます。児童手当は保護者の婚姻の有無を問いません。児童扶養手当も、婚姻によらずに生まれた子を養育している場合を対象に含めています。税制上も、未婚のひとり親を対象とした控除が設けられています。保育園の利用調整では、ひとり親世帯は加点される扱いになっているのが一般的です。戸籍の続柄の記載も、2004年11月から婚姻の有無で書き分けられなくなりました。制度の面で不利になる場面は、思われているほど多くありません。
申請には順番がある
制度が多いため、順番を決めて動くと漏れません。まず出生届と同時に、児童手当と子ども医療費助成を申請します。児童手当は申請した月の翌月分からの支給になるため、遅れるとその分は受け取れません。次に、健康保険への加入と児童扶養手当の申請。児童扶養手当は書類が多いので、妊娠中に必要書類を確認しておくとスムーズです。そして、児童扶養手当の証書が届いたら、そのコピーを持って各窓口を回ってください。ひとり親家庭等医療費助成や公共料金の減免は、児童扶養手当の受給を条件としていることが多いためです。
迷ったら窓口で網羅的に聞く
制度の名前を知らなければ、ピンポイントでは尋ねられません。いちばん確実なのは、自治体の窓口で「ひとり親で子育てをすることになりました。使える制度をすべて教えてください」と伝えることです。多くの自治体には、ひとり親家庭の相談を専門に担当する母子・父子自立支援員が配置されており、手当、貸付、就労、養育費、子どものことまで、制度の縦割りを越えて相談できます。まだ妊娠していない段階でも相談できますので、動く前に一度話を聞いておくと、生活の設計が具体的になります。