このカテゴリで分かること

精子提供で実際に起きているトラブルは、大きく3つに分かれます。生まれた子の法律上の親子関係をめぐるもの、性感染症をはじめとする健康被害に関するもの、そして金銭や身元をめぐる詐欺的な被害です。いずれも、事前に手を打っておけば大きく減らせるものばかりです。このカテゴリでは、それぞれについて「何が起こりうるか」と「どう備えるか」をセットで解説しています。

法制度の現在地

日本には、提供を受けて生まれた子の親子関係について定めた「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律」があります。一方で、提供そのものの実施方法や提供者の要件については、法律ではなく学会の見解や各医療機関の規定に委ねられている部分が残っています。この「法律で決まっている部分」と「決まっていない部分」の切り分けを理解しておくことが、自分がどこまでのリスクを引き受けようとしているのかを見きわめる第一歩になります。法務省・e-Gov法令検索・日本産科婦人科学会の一次情報は、各記事の末尾からご確認いただけます。

書面と検査は省略しない

どんな方法を選ぶ場合でも、感染症検査の結果確認と、取り決めの書面化だけは省略しないでください。検査は結果の画像だけでなく、発行元と検査日が分かる形で確認すること。書面は、金銭の授受、妊娠後の連絡、認知や養育費についての意思、将来子どもが出自を知りたいと望んだ場合の対応まで含めて残しておくこと。この2つを守れているかどうかが、相手やサービスの信頼性を見分ける基準そのものにもなります。

トラブルが起きたときの相談先

万が一トラブルに巻き込まれた場合、一人で抱え込まないでください。金銭をめぐる被害や悪質な勧誘については消費生活センター、身の危険や脅迫を伴う場合は警察、親子関係や養育費など法律に関わる問題は弁護士が相談先になります。相談の際に効いてくるのが、やりとりの記録です。メッセージのやりとり、振り込みの記録、取り交わした書面。これらを残しておくかどうかで、対応できる幅が変わります。その場のやりとりを消してしまわないよう気をつけてください。

このカテゴリの読む順番

検討の初期であれば、まず「リスク」で全体像を把握し、次に「法律」で制度の現在地を確認してください。相手を探す段階に入ったら「SNSで探す方法と危険」と「悪質サービスの見分け方」を、実施が近づいたら「STD検査」と「契約書」を読むのが効率的です。なお、当サイトが紹介している内容も含め、精子提供には法的に整理されていない部分が残ります。重要な判断の前には、必ず弁護士など専門家にご相談ください。