婦人科に行こうと決めても、「何をされるのか」「何を聞かれるのか」がわからないと、足が向きません。
この記事では、初診で実際に何が行われ、何を聞かれるのかを具体的に示します。わからないから怖い、という状態を解消することが目的です。
初診は、問診が中心です。いきなり内診をされるとは限らず、話を聞いて説明を受けるだけで終わることもあります。持って行くものは、保険証と月経の記録。この2つがあれば足ります。不安があれば、予約時や問診票に書いて伝えてください。伝えれば配慮してもらえます。
予約の取り方
受診の前段階から見ていきます。
電話かウェブで予約する
多くの施設が予約制です。ウェブ予約に対応しているところなら、電話で話さずに済みます。電話が苦手な方には、この点で選ぶ価値があります。
受診理由は簡単でよい
予約時に「どのような症状ですか」と聞かれることがあります。「妊娠を考えているので相談したい」「月経のことで相談したい」で十分です。詳しく説明する必要はありません。
初診の所要時間を聞いておく
問診、診察、検査と進むと時間がかかります。予約時に目安を尋ねて、予定に余裕を持たせてください。
月経中を避けるのが無難
ただし、症状によっては月経中でも受診したほうがよい場合があります。迷ったら予約時に相談してください。
持って行くもの
準備するものは多くありません。
健康保険証
必須です。マイナンバーカードを保険証として使える施設も増えています。初診では、住所や連絡先の記入も求められるため、身分証があると手続きが早く済みます。自費で受ける場合でも、本人確認のために提示を求められることがあります。
月経の記録
最も重要な情報です。前回の月経の開始日、周期の長さ、期間。アプリを使っているなら、その画面を見せるだけで構いません。紙のメモでも十分です。
お薬手帳
常用している薬がある場合は必ず持参してください。市販薬やサプリメントも伝える対象です。
聞きたいことのメモ
診察の場では緊張して忘れます。3つ程度に絞って書いていくと、確実に聞けます。
生理用ナプキン
内診や検査のあと、少量の出血があることがあります。念のため持っていると安心です。
問診で聞かれること
ここが初診の中心です。
最終月経と周期
「最後の月経はいつからでしたか」は必ず聞かれます。記録があれば即答できます。周期の長さや期間も同様です。
妊娠・出産の経験
回数と、その経過を聞かれます。流産や中絶の経験も、医療上必要な情報として尋ねられます。これは評価のための質問ではありません。
手術歴・病歴
腹部や骨盤の手術は、卵管の状態に関わることがあります。虫垂炎の手術も該当します。時期と病名を思い出しておいてください。
受診の目的
何を知りたくて来たのかを聞かれます。「妊娠を考えているので、体の状態を確認したい」で十分伝わります。パートナーの有無を説明する義務はありません。
診察の内容
問診のあとに行われることを説明します。
内診
専用の椅子に座って、医師が腟内や子宮の状態を確認します。数分で終わります。スカートであれば、下着だけを脱げばよい場合が多く、脱ぎ着の負担が減ります。
経腟超音波
細い機器を腟内に入れて、子宮や卵巣の様子を画面で確認します。痛みはほとんどなく、モニターで一緒に見ながら説明を受けられることが多い検査です。
採血
ホルモンや感染症の状態を調べるために行われます。結果が出るまでに数日から2週間程度かかります。ホルモンの検査は、月経周期のどの時期に採血するかが決まっているものがあり、その場合は指定された日に改めて来院することになります。一度の受診ですべてが終わるわけではないと考えておいてください。
必ず全部やるとは限らない
初診では問診と説明だけ、ということもあります。その日にどこまで進めるかは、状況によって変わります。
内診が不安な場合
ここが最も多い不安です。具体的な対処を挙げます。
不安であることを伝える
問診票の自由記入欄や、口頭で伝えてください。「初めてで緊張しています」と言うだけで、進め方に配慮してもらえます。
説明を求めてよい
何をするのか、どれくらい時間がかかるのかを、始める前に尋ねて構いません。わからないまま進むことが、不安を大きくします。
途中でやめてもらえる
つらければ、その場で伝えてください。無理に続けなければならないものではありません。痛みや不快感を我慢することが診察の前提ではありませんし、我慢したことで正確な結果が得られるわけでもありません。声を出しにくければ、手を上げるなどの合図を先に決めておく方法もあります。
女性医師を選べる施設もある
予約時に確認できます。それだけで受診しやすくなるなら、選ぶ基準にして構いません。
服装と当日の過ごし方
細かいことですが、当日の負担に関わります。
脱ぎ着しやすい服装で
スカートやワンピースだと、下着を脱ぐだけで済むことが多くなります。ストッキングやタイツは脱ぐ手間がかかります。
時間に余裕を持つ
待ち時間が長くなることがあります。予約していても、診察が押すことは珍しくありません。読むものや聴くものを用意しておくと、待つ時間の負担が減ります。その日のうちに次の予定を入れないほうが安心です。
食事の制限は基本的にない
特定の検査を予定している場合を除き、食事を抜く必要はありません。予約時に指示があればそれに従ってください。
体調が悪ければ日を変える
熱がある、体調が優れないという場合は、無理に行かず予約を取り直してください。
診察のあと
受診したあとの流れも知っておきましょう。
説明を受ける
その日にわかったこと、次に何をするかの説明があります。わからないことは、その場で聞いてください。あとで調べるより確実です。
次の予約を取る
検査を周期に合わせて行う場合、次に来る時期が指定されます。いつごろになるかを確認して、予定を調整してください。
結果を待つ
血液検査などの結果は、次回の診察で説明されるのが一般的です。急ぐ事情があれば伝えてください。
もらった書類は保管する
検査結果や説明の紙は、必ず取っておいてください。別の医療機関にかかるとき、同じ検査を繰り返さずに済みます。写真を撮っておくとさらに安心です。
ひとりで受診する場合
パートナーがいない状況での受診について触れます。
説明の義務はない
「なぜひとりなのか」「相手はいるのか」を詳しく説明する必要はありません。妊娠を希望していることだけを伝えれば足ります。
問診票の書き方
書きたくない項目は空欄にして、口頭で相談しても構いません。診察の場で話すほうが伝わりやすいこともあります。
対応が合わないと感じたら
医療機関によって、対応の姿勢には差があります。不快な思いをした場合、別の施設を選んで構いません。合う場所を探すことは、わがままではありません。
相談窓口も併用する
自治体の不妊専門相談センターでは、受診の前後の相談も受けています。医療機関で聞きにくかったことを、ここで整理することもできます。
医療機関の選び方
どこに行くかで、受診の体験はかなり変わります。
通いやすさを軽視しない
不妊の検査や治療では、周期に合わせて何度も通うことになります。片道1時間かかる施設と、職場の近くの施設とでは、続けやすさが大きく違います。評判だけで遠くを選ぶと、あとで負担になります。
診療時間を確認する
働きながら通う場合、夕方以降や土曜日に診療しているかが重要です。受診のたびに休みを取る前提だと、続きません。ウェブサイトで診療時間を確認してください。
説明の丁寧さを見る
初診で説明が足りないと感じたら、その施設は自分に合っていないかもしれません。合わないと感じたら変えてよいものです。医療機関を変えることに、後ろめたさを感じる必要はありません。
紹介状は必須ではないが
婦人科から不妊専門の施設に移る場合、紹介状があると検査の重複を避けられます。これまでの検査結果を持っていくだけでも役に立ちます。
受診当日の気持ちの整え方
心の準備についても触れておきます。
「聞かれること」を先に知っておく
何を聞かれるかがわかっていれば、緊張はかなり減ります。この記事の問診の項目にざっと目を通してから行くだけでも、当日の負担は変わります。
その日に決めなくてよい
検査を受けるか、治療を始めるか。その場で決断する必要はありません。「持ち帰って考えます」と言って構いません。急かされていると感じたら、それは判断を保留する理由になります。
結果を聞く日は予定を詰めない
思っていた内容と違う説明を受けることもあります。そのあと落ち着ける時間を用意しておくと、気持ちの整理がしやすくなります。
ひとりで抱えない
診察で聞いたことを誰かに話すだけでも、整理が進みます。話せる相手がいない場合は、自治体の相談窓口を使ってください。受診後の相談も受け付けています。
よくある質問
受診できます。その場合、経腟の超音波ではなく、腹部からの超音波や直腸からの診察で対応することがあります。問診票や口頭で、その旨を伝えてください。言いにくければ、問診票に書いておくだけでも医師に伝わります。伝えないまま進むと、想定と違う診察になってしまうことがあるので、ここは必ず伝えてください。医療機関にとっては珍しいことではなく、対応の方法が用意されています。恥ずかしいことでも、説明が必要なことでもありません。事実として伝えれば、それに合わせて診察が進みます。
症状があって受診する場合、多くは保険適用となり、初診料と検査を合わせて数千円から一万円程度に収まることが一般的です。ただし、検査の内容や施設によって差があります。症状がなく、健康チェックとして受ける場合は自費になることがあります。この場合の金額は施設が設定するため、事前に確認してください。心配なら、予約のときに「初診でどれくらいかかりますか」と尋ねて構いません。答えてもらえる施設がほとんどです。念のため、多めに用意していくと安心です。カード払いに対応していない施設もあります。
内診や子宮頸がん検査は行いにくくなるため、避けられるなら別の日をおすすめします。ただし、月経中でなければできない検査もあります。たとえば、特定のホルモンの検査は月経開始から数日以内に行うことがあります。また、月経量が異常に多い、痛みが強いといった症状を診てもらう場合は、その時期に受診する意味があります。迷ったら、予約時に「いま月経中ですが、いつ行くのがよいですか」と尋ねてください。症状や目的に応じて、適切な時期を教えてもらえます。
紙に書いて持って行き、それを渡す方法があります。口で説明しなくても、書いたものを見せれば伝わります。問診票の自由記入欄に書いておくのも有効です。医師は先に問診票を読むので、診察が始まる前に情報が伝わります。書く内容は箇条書きで構いません。「いちばん知りたいこと」を最初に書いておくと、時間が足りなくなっても確実に扱ってもらえます。それでも聞き漏らした場合は、次回の診察で聞けば大丈夫です。一度で全部を理解しなくてよいと考えてください。
まとめ|わからないから怖い、を解消する
初診の中心は問診です。いきなり内診をされるとは限らず、話を聞いて説明を受けるだけで終わることもあります。持って行くのは、保険証と月経の記録。この2つで足ります。
聞かれるのは、最終月経、周期、妊娠や手術の経験、飲んでいる薬。いずれも医療上必要な情報であり、評価のための質問ではありません。記録があれば、答えるのに困りません。
そして、不安があれば伝えてください。初めてであること、緊張していること、性交渉の経験がないこと。伝えれば、それに合わせて診察が進みます。言わないままでいることが、いちばん負担を大きくします。